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工藤歯科ブログ
大型歯科医療法人と小規模個人開業医
先日テレビ番組で歯科医院の選び方などがテーマで国内最大規模の大型歯科医療法人の理事長が出演されていました。
この歯科医院は、国内外を合わせて数十件、スタッフ総勢1000名規模とのことで歯科医院としては驚異的です。
理事長の先生は歯科関係の雑誌でもしばしば経営の点からコメントを載せておられ歯科界でも知られた先生です。
しかし患者さんからみてこういう大規模な医療法人の歯科というのはどうでしょうか。
私個人は以下の点でこのような大規模歯科には批判的な立場です。
① 長期に通院していると担当歯科医がしばしば変わってしまうことにより、患者さんが振り回される・迷惑を被る可能性がある。
② 提供する歯科医療に責任をもちたい、歯科という仕事を全うしたいと考える歯科医は分院拡大をしないものである。(私見)
① :自分もかって大型の医療法人歯科に勤務していました。経験の浅い歯科医の立場からすれば、大きい所は多くの歯科医がいるために色んな知見を広めて勉強になる点がある一方、勤務歯科医は年齢層~経歴も様々で、治療方針や、考え方もまちまちでした。もちろん「同一法人内ではなるべく統一した治療方法・診療コンセプトで」ということを目指してはいましたが実際はできていませんでした。また10年以上長く通って来ていた患者さんのカルテは平均して3年くらいで担当医が入れ替わり立ち替わりの状態でした。勤務歯科医というものはもともと将来的には独立開業を考えていたり、スキルアップのために数年単位で勤務先を変えることがよくあるのが実情です。
また勤務歯科医が歩合給の場合、治療点数が多いこと、自費売上が多いことが至上命題になることがあり(本来あってはならないことですが)不必要な過剰治療がされるリスクもあるかもしれません。
② : 自分は海外の歯学部大学院に2年以上留学され各治療分野の専門医として海外で認められて帰国されている歯科医に指導を受けて研鑚をしていますが、そのような海外で知識と技術ともに認められた歯科医というのは私の知る限りでは小規模個人開業の先生ばかりです。
米国歯科界で非常に権威のある歯科学会の一つは、学会員が分院展開したというニュースが入るとその歯科医は正会員の資格を剥奪されるそうです。
この事実は何を物語っているのでしょうか。
全くの個人的見解ですが、結局、分院展開を多数する歯科医というのは、経営的な観点・・不労所得を目当て・・で歯科という仕事を考えておられるのではないかと勘ぐってしまいます。
しかし例外があります。限られた数とはいえ歯科需要はあるが将来的に人口減少が止まりそうにない地域があるとします。その地域の歯科医療需要を満たすために都市部の本院の収益でリスクヘッジしながらあえて採算は合わないけれど僻地で、都心部と同レベルの歯科医療を提供するとしたらそれは素晴らしいことだと考えられます。
しかし多くの分院をかかえる大型歯科医療法人は、えてして歯科医院過剰といわれるような都会や住宅地の中の、人口が非常に多いところにあるようですね・・。
歯科医も商売ですから収益が必要ですが、歯科という仕事を全うすることに徹するならば(過疎地・僻地は別にして)分院展開などというものはあり得ないだろう・・というのが現時点での個人的見解です。
2012.2.14
なぜ歯科医により言うことが違うのか?
・一般に、同じ国家資格の日本の歯科医といっても、診断や治療法の選択、治療の手順なども千差万別です。ついこないだも、矯正の相談に行かれて3人の矯正歯科医からそれぞれ別のことを言われてどうしたらよいかわからないといった患者さんのコメントを聞きました。
なぜこのようなことになるのでしょうか。
ヨーロッパの歯内療法専門医達により書かれた優れたTEXT 「Textbook of Endodontology」Blackwell MunkusGaardにもそのことは「術者間誤差、術者内誤差」としてはっきり書かれています。 異なる歯科医同士で診断が違うのみならず、なんと同一の歯科医であってもタイミングが違うだけで違う判断…診断を下す場合があることまではっきり書かれています。
自分自身でもこれは覚えのあることです。
たとえば、虫歯の治療にしてみても、経験のないうちは病気をレントゲンでみつけると、どんな疾患であれ、まず治療が浮かびます。金属のつめものが必要かプラスチックでいけるか という具合です。経験をつんでいくと、疾患はあるが、これこれの状況になるまでは経過を見るのがよい、あるいは治療に入るにあたっては、治療によるリスクがこれくらいあり、放置したリスクはこのくらい など色々な状況を具体的に予測することができるようになります。また虫歯の周りに歯垢が非常に多くついたままの患者さんであればまずは治療よりも予防教育からすべきだろうという判断がされるかもしれません。
実体顕微鏡を使って診断をしている歯科医は肉眼だけであまり時間をかけないで診査している歯科医が見落とすような虫歯やつめものの不具合も発見します。すなわち顕微鏡の有無だけでも診断に差が出ます。
歯科医となってから正しく勉強をつづけている歯科医と歯科医になったときのままの頭の歯科医(がいるとすれば)との間に、全く次元の違うような臨床力の差=診断から治療+技術の差 が生じることは明らかです。 歯科学も日進月歩で日々新しい材料や治療方法、技術、知見が紹介されます。
もちろん最新であればよいというものではありません。最新なだけでまだ臨床データがないような治療法や薬剤もあります。これまでにも発表されて一時注目をあつめてもあっという間に廃れてしまった治療方法や器材、薬剤が多くあります。一方でこれまでは最善とされていた治療法に訂正が加わる場合もあります。そのような場合、その情報を知らなければ、従来のままの診療を行う歯科医は、現代の歯科医療水準の歯科医療を提供できないということになります。
結局、一口に歯科医といっても、頭に入っている歯科学の情報の精度や深さにかなりの差があるのが現実であり、そのことがこの「歯科医により言うことがまちまち」という差を生み出します。
なぜこのようなことになるのでしょうか。
ヨーロッパの歯内療法専門医達により書かれた優れたTEXT 「Textbook of Endodontology」Blackwell MunkusGaardにもそのことは「術者間誤差、術者内誤差」としてはっきり書かれています。 異なる歯科医同士で診断が違うのみならず、なんと同一の歯科医であってもタイミングが違うだけで違う判断…診断を下す場合があることまではっきり書かれています。
自分自身でもこれは覚えのあることです。
たとえば、虫歯の治療にしてみても、経験のないうちは病気をレントゲンでみつけると、どんな疾患であれ、まず治療が浮かびます。金属のつめものが必要かプラスチックでいけるか という具合です。経験をつんでいくと、疾患はあるが、これこれの状況になるまでは経過を見るのがよい、あるいは治療に入るにあたっては、治療によるリスクがこれくらいあり、放置したリスクはこのくらい など色々な状況を具体的に予測することができるようになります。また虫歯の周りに歯垢が非常に多くついたままの患者さんであればまずは治療よりも予防教育からすべきだろうという判断がされるかもしれません。
実体顕微鏡を使って診断をしている歯科医は肉眼だけであまり時間をかけないで診査している歯科医が見落とすような虫歯やつめものの不具合も発見します。すなわち顕微鏡の有無だけでも診断に差が出ます。
歯科医となってから正しく勉強をつづけている歯科医と歯科医になったときのままの頭の歯科医(がいるとすれば)との間に、全く次元の違うような臨床力の差=診断から治療+技術の差 が生じることは明らかです。 歯科学も日進月歩で日々新しい材料や治療方法、技術、知見が紹介されます。
もちろん最新であればよいというものではありません。最新なだけでまだ臨床データがないような治療法や薬剤もあります。これまでにも発表されて一時注目をあつめてもあっという間に廃れてしまった治療方法や器材、薬剤が多くあります。一方でこれまでは最善とされていた治療法に訂正が加わる場合もあります。そのような場合、その情報を知らなければ、従来のままの診療を行う歯科医は、現代の歯科医療水準の歯科医療を提供できないということになります。
結局、一口に歯科医といっても、頭に入っている歯科学の情報の精度や深さにかなりの差があるのが現実であり、そのことがこの「歯科医により言うことがまちまち」という差を生み出します。
顕微鏡診療について
患者さんが予約を忘れていたとのことで時間ができたので、久しぶりの更新になります。
顕微鏡診療についてです。顕微鏡といえば拡大と照明です。
歯科治療で話題になる顕微鏡は、主に二つの使われ方があります。
一 つは 歯垢(プラーク)を採取して細菌を実際に目で確認するというもので、位相差顕微鏡というものが使われます。患者さんの口の中からとってきた歯垢の中 の細菌が動くのを目でみることができます。これは治療に生かすというよりは患者さんの治療や予防に対する意欲を持ってもらうことに使われます。
もう一つは、手術用実体顕微鏡で 実際に口腔内をのぞいて治療や診断に使われる場合です。
二つとも拡大と照明を利用しているわけですが、その拡大率はかなり違いがあります。
位相差顕微鏡のほうが1000倍のオーダーで見る対象は「細菌」です。手術用実体顕微鏡の場合は、30倍程度で見る対象は「虫歯、歯、根管内、歯肉、修復物など」です。
顕微鏡治療の場合は肉眼の10~30倍の精度の治療ができるわけですが、細菌レベル(=1000倍!)の治療ができるわけではありません。
実際に細菌レベルまで拡大してみれる顕微鏡があればすごいことですが、臨床応用は不可能でしょう。
30倍で見ていても、ちょっと体が動いただけでのぞいていた視野が完全になくなるまで移動してしまいますから。
患者さんはそこまでじっとしていられません。
歯科治療上実用的な倍率は10倍くらいです。治療内容により、5倍~15倍で適宜変更します。
なので顕微鏡で診察や治療をしていますが、さすがに歯面に付着した細菌の個体レベルまで確認して見ているわけではないのです。
顕微鏡診療についてです。顕微鏡といえば拡大と照明です。
歯科治療で話題になる顕微鏡は、主に二つの使われ方があります。
一 つは 歯垢(プラーク)を採取して細菌を実際に目で確認するというもので、位相差顕微鏡というものが使われます。患者さんの口の中からとってきた歯垢の中 の細菌が動くのを目でみることができます。これは治療に生かすというよりは患者さんの治療や予防に対する意欲を持ってもらうことに使われます。
もう一つは、手術用実体顕微鏡で 実際に口腔内をのぞいて治療や診断に使われる場合です。
二つとも拡大と照明を利用しているわけですが、その拡大率はかなり違いがあります。
位相差顕微鏡のほうが1000倍のオーダーで見る対象は「細菌」です。手術用実体顕微鏡の場合は、30倍程度で見る対象は「虫歯、歯、根管内、歯肉、修復物など」です。
顕微鏡治療の場合は肉眼の10~30倍の精度の治療ができるわけですが、細菌レベル(=1000倍!)の治療ができるわけではありません。
実際に細菌レベルまで拡大してみれる顕微鏡があればすごいことですが、臨床応用は不可能でしょう。
30倍で見ていても、ちょっと体が動いただけでのぞいていた視野が完全になくなるまで移動してしまいますから。
患者さんはそこまでじっとしていられません。
歯科治療上実用的な倍率は10倍くらいです。治療内容により、5倍~15倍で適宜変更します。
なので顕微鏡で診察や治療をしていますが、さすがに歯面に付着した細菌の個体レベルまで確認して見ているわけではないのです。





